森の小道の先の、文房具屋さん
ふかふかの苔におおわれた細い小道を進んでいくと、森の奥に小さな木の小屋が見えてきます。
そこは、くまのロゼリーさんがひっそりと営む、森の文房具屋さん。
屋根にはつたが絡まり、入り口には「Bienvenue(ようこそ)」の看板。
扉をあけると、カラン…とやさしいベルが鳴ります。
店の中には、季節ごとに色が変わるインク、
アンティークの切手みたいなシール、
押し花のスタンプ、
うさぎの毛糸で編まれた糸巻き、
そして、小さなリボンとレースのかけらまで…。
ここは、「手紙を書くひと」「ものをつくるひと」たちのための場所。
ラッピングに添える、たった一枚のタグ。
アルバムに忍ばせる、きらきらした想い出の欠片。
誰かを想って、夜に綴る、手紙のひとこと。
ロゼリーさんは、それを**「心のかけらを包むお手伝い」**と呼んでいます。
「あなたの手のぬくもりが、届きますように。」
ぜんぶ、森の素材でできた、どこにも売っていない宝物ばかり。
このお店を訪れるのは、森の動物たち、そして時々…
小道を見つけた、夢を忘れかけた旅人たち。
ロゼリーさんは、そんな訪問者たちにやさしく問いかけます。
「今日はどんな想いを包みたいの?」
手紙を書くこと、想いを伝えること、
手のぬくもりをこめてつくる、手紙やラッピング。
その一つひとつが、誰かの心をあたためることを、
ロゼリーさんは静かに知っているのです。
それがこの文房具屋さんの小さな魔法。